 (2006年 9月 29日 西日本新聞)
グランディア(福岡市中央区)と丸美(同)は共同で、分譲マンションとしては日本初となる太陽光発電全世帯供給システムを取り入れる「グランディア空港ソラーレ」(福岡県志免町別府柏木)を建設中だ。
環境保全を背景に、新エネルギーとして期待される太陽光の住宅分野への導入が進む中、「グランディア空港ソラーレ」は、環境性そして快適さを追求した近未来型エコマンションとして大いに注目されている。
「グランディア空港ソラーレ」の太陽光発電全世帯供給システムは、芝浦特機(北九州市小倉南区)が開発した。同社は、新エネルギー財団の2005年度新エネ大賞の経済産業大臣賞を受賞した全世帯太陽光発電付き賃貸マンション「ニューガイア」を手掛けた実績もあり、太陽光発電システムを設置したマンション開発では先駆的な存在。技術提携という形で契約し、このプロジェクトに携わっている。
設備費が上乗せされ分譲価格が高くなるなどの理由から、導入は難しいというところが多かったが、丸美の宮崎隆社長とグランディアの伊勢田直社長は「環境保全への姿勢が認められ、入居者にもそういった意識が根付き、一般の方々にも浸透していけば、いいPRになり今後につながる」と考えて建設を決めたという。さらに、小型風力発電も蓄電用として導入する。 |
グランディア空港ソラーレ完成予想図 |
太陽光発電は、太陽光を利用し、それをエネルギーに転換するシステム。地球温暖化の原因である二酸化炭素の排出がほとんどないのが特長だ。
同マンションのシステムは、住戸ごとに太陽電池パネルが割り当てられ、発電量が自動的に分かるようになっている。1世帯1.53キロワットで、年間発電量は1500キロワット時と予測している。共用部分ばかりでなく、各住戸にも電気を供給する。
芝浦特機の試算では、同マンションによる二酸化炭素削減効果は、約4200本のスギの木が吸収するのと同等の効果があり、石油消費削減量では18リットル缶で約1200缶分とみている。「環境に対する貢献度はかなり大きい」と、芝浦特機の新地哲己社長は胸を貼る。 |
グランディアの伊勢田直社長(左)と
芝浦特機の新地哲己社長(右) |
発電した電気を使うことで、電力会社からの電力利用はおのずと減り、電気料金が少なくて済む。その上、発電した電力を電力会社に売ることができ、経済的なメリットも生む。「当社の賃貸マンションであるニューガイアに入居している人の中には、基本料金以内の人も多くいます」と新地社長はそのメリットを強調する。また入居者が自分の住戸の電気使用料や料金を細かくチェックすることで、節電意識も芽生えたという。
売電契約は、入居者ごとに電力会社と「太陽光発電余剰電力需給契約」を結ぶことになる。「ニューガイア」に住むある家庭では、電力会社からの購入分よりも売電分が上回り、実質支払い分はマイナス。つまり収入となっているケースもあり、経済性の高さが入居者に受けているという。
「ニューガイアでは、新エネルギー機器とエコキュートなど省エネルギー機器を組み合わせることにより、ガス併用の通常マンションに比べて、光熱費を74%削減できた」と新地社長。ニューガイアの1世帯当たりの発電量は1日当たり1.5キロワット時。1.53キロワット時と多いグランディア空港ソラーレには、光熱費削減など一層の効果ができるという。
そのほかのメリットとして、屋上に太陽電池パネルを設置することにより、最上階の断熱効果もある。
太陽光発電システムは、完成から15年間は丸美が管理業務を行い、その後は同マンションの管理組合に所有権を無償譲渡する。維持管理責任も管理組合に帰属する契約になっている。
購入者の設備投資への負担をなくし、販売価格は同レベルのマンションの販売価格に準じた価格に設定している。「後々は付加価値として入居者の大きな資産となるでしょう」と伊勢田社長。
「10年後、太陽光発電を備えたマンションは一般的になってくる。そこで生活することが環境保全にもつながってくる」新地社長。
その先駆けとなる「グランディア空港ソラーレ」。2007年3月の完成が待ち遠しい。
環境だけでなく、健康と防犯をキーワードに揚げる丸美。毎日の安全な暮らしを守るために必要なセキュリティーシステムにも力を入れている。「グランディア空港ソラーレ」では、ピッキング対策として、非接触ICカードキーを採用。カードをモニターにかざすとドアが開閉する。財布に入れたままでも作動する。
エレベーター内を含め、館内に9台のセキュリティーカメラを設置し、不審者の進入を監視する。室内にはテレビモニター付きインターホンや窓からの侵入を防止するマグネットセンサー(1階住戸の窓のみ)を設置。警備会社による24時間体制のセキュリティーシステムも採用し、入居者の安全面を確保する。
健康面ではセントラル方式浄化・活性システムを導入しているのが特色。水道水の残留塩素や不純物を排除し、真水に近い水を供給。浄水器は台所だけの設置というケースが多いが、これは台所だけでなく、洗面、浴室などの室内すべての水道水を浄化・活性化。食の面だけでなく、住の面からも生活者の健康に配慮する。
新鮮な空気を室内に取り入れる24時間換気システムを採用し、高い空気環境を維持している点や、オール電化システムを採用している点も見逃せない。 |
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非接触ICカードキー
「アイ・タッチスリム」 |
セントラル方式
浄化・活性システム |
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「グランディア空港ソラーレ」は、鉄筋コンクリート造地上5階建て。総戸数は60。間取りは2LDK(13戸)、3LDK(30戸)、4LDK(17戸)。専有面積は61.00平方メートルから95.73平方メートルまで。
コンクリートくいを地上の支持層まで貫入させることで、地震時にも耐性を発揮。主要部の壁は耐久性を増すダブル配筋にしている。また、耐震ドアを採用、地震に配慮している。
設計住宅性能評価書を取得済み。完成時には、建設住宅性能評価書を取得予定。 |
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丸美は、同社独自のマンション管理システムとなる「リアルエステート・トータル・サポート」(RTS)を行っている。建設会社が建てたマンションの管理を別の会社が請け負うのが一般的だが、同社は、マンション建設と管理を一つの会社が行うことで、資産価値を高いレベルで維持し、安全性や快適性も同時に提供していこうというもの。建築したものに関して知識がある会社自体が管理を行うことで、細やかなメンテナンスや住まいに生じるさまざまなトラブルにも迅速に対応する。 |
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